洗顔フォームを比べるとき、当然、注目すべきは洗浄成分に何が使用されているか? ですよね。
現在の洗顔フォームに配合されている洗浄成分はおもにアニオン界面活性剤と呼ばれるものです。
アニオン界面活性剤には、たくさんの種類がありどれも洗浄のメカニズムは同じですが、その種類によって洗浄力に違いがあります。
そして、洗顔フォームにおいて洗浄力は、高ければ良い、低ければ良いというものではありません。
なぜならば、洗浄力が強すぎればお肌は『乾燥』し、本来のバリア機能を失いますし、
逆に洗浄力が低すぎると、皮脂や汗はもちろん化粧成分が残留してしまいトラブルの元となり得るからです。
では、洗顔フォーム選びでは何が正解かというと、
- なるべく低洗浄力
です。
そうなると、人によってちょうど良い洗浄力は違ってきますよね?
使用する化粧品、体質、生活スタイル、などなど人それぞれ様々であり、これらの要因によってかわるからです。
そこでオススメしたいのが、数あるアニオン界面活性剤のなかでも、まず、比較的洗浄力が低い傾向にあるアミノ酸系洗浄剤でできた洗顔フォームから選んでみることです。
できるだけ低洗浄力の洗顔フォームを探すスタートにアミノ酸系洗浄剤は最適です。
分かりやすい上に簡単に低洗浄力を選べるからです。
でも、良く言うアミノ酸系洗浄剤っていったいどんな洗浄成分なのでしょう?
今回はアミノ酸系洗浄剤について掘り下げてみましょう。
アミノ酸系洗浄剤とは
アミノ酸系洗浄剤とは、親水基がアミノ酸の構造をもったアニオン界面活性剤の総称です。
難しいですよね?簡単に解説します。
アニオン界面活性剤は、お水の中で自身の分子構造が変化して、水っぽい部分と油っぽい部分の2つの構造を併せ持つ成分になります。このとき、水っぽい部分を親水基、油っぽい部分を親油基(疎水基)と呼びます。
そして、親水基は水とくっ付く、親油基は油とくっ付くその特性ゆえに、アニオン界面活性剤は本来なら交わりずらい水(お湯)と油(皮脂などの汚れ)を混ぜ合わせ、洗浄を助けることが出来る! という訳ですね。
では、洗浄力はどこで決まるのか? というと、注目すべきは親水基の分子構造です。
親油基ももちろん注目箇所ではありますが、親水基の水を引っ張る力がアニオン界面活性剤の種類によってかなりの差が生まれる為に、アニオン界面活性剤同士の洗浄力を単に比べる場合、親水基を見比べれば事足りるという訳です。
では、なぜ親水基の種類によって洗浄力が決まるのか? それは、洗浄力が親水基の極性と呼ばれるプラスマイナスの静電気的なバランスによって左右されるからです。この静電気的なバランスが悪ければ悪いほど水を引っ張ろうとする力が強い、すなわち、洗浄力が高い! ということになります。
そこで、あらためてアミノ酸系界面活性剤の親水基に注目してみると、アミノ酸はアミノ基、カルボキシキル基という構造をもっているという特徴が見られます。この構造は、他の種類の洗浄剤の親水基に比べバランスが取れている傾向にあるために、そうじて洗浄力が低い傾向があると言える訳です。
もちろん、親水基にアミノ酸構造を持っている=必ずしも低洗浄力であることを約束するものではありませんが、現在販売されているアミノ酸系界面活性剤はその傾向にあるのは保証できます。
アミノ酸系洗浄剤の見分け方
では、実際にどの洗顔フォームがアミノ酸系かを見分ける方法を見ていきましょう。
アミノ酸系を見極めるカギは全成分表示にあります。
例えば、
MINON(ミノン) アミノモイスト ジェントルウォッシュ ホイップ
の全成分表示を見ていきましょう。
水、BG、ココイルグルタミン酸K、ソルビトール、ココイルアラニンTEA、グリセリン、コカミドDEA、フェノキシエタノール、グリチルリチン酸2K、ロイシン、グリシン、セリン、ペンテト酸5Na、アラニン、酢酸トコフェロール、アルギニン、トレオニン、バリン、ヒスチジン、ラウロイルグルタミン酸ジ(フィトステリル/オクチルドデシル)、1.2-ヘキサンジオール、水添レシチン、ラウリン酸ポリグリセリル-10、トコフェロール
凄まじく分かりずらいですよねw
ちなみにコチラの商品、市販では相当に珍しい良計アミノ酸系洗顔フォームと言えると思います。
そもそもアミノ酸系の洗顔フォームって珍しいんですよね?だいたいの洗顔フォームが石けんベースの強洗浄力タイプだからです。
では、アミノ酸系洗顔フォームの見方を見ていきましょう。
通常、全成分表示は配合量の多い順番に記載されていき、全体の成分の1%以下からはメーカーの自由な順番で記載して良いというルールに則って記載されています。
ここで、洗顔フォームの主成分は水やBGなどの基剤を除けば、当然洗浄成分であるということを利用します。つまり、単に洗浄成分がアミノ酸系かどうか見るには、上位10個前後だけ見れば充分ということです。
水、BG、ココイルグルタミン酸K、ソルビトール、ココイルアラニンTEA、グリセリン、コカミドDEA、フェノキシエタノール、グリチルリチン酸2K
とこの辺までで良いという訳ですね。このうちアニオン界面活性剤は
ということになるのですがこの時のアミノ酸系の正しい見分け方から先に行っておきます。アニオン界面活性剤は基本的に
親油基+親水基+水の中で電離する部分(電離して初めて親水基としての力を得ます)で名前が付けられます。例外もありますがほぼほぼ当てはまります。
つまり、
ココイル+グルタミン酸+Kココイル+アラニン+TEA
親油基+親水基+水の中で電離する部分
という訳です。
親水基がアミノ酸で出来ているから、アミノ酸系洗顔フォームであり、低洗浄力というわけですから、青地の親水基がアミノ酸かどうかを確かめれば、その洗浄フォームがアミノ酸系かどうか判別すれば良い訳です。となると、アミノ酸成分かどうか判断する必要がありますよね?それはメンドクサイですよね?
ですが、アミノ酸系の界面活性剤には、もう1つの特徴があります。親油基です。
有り難いことに現在のアミノ酸系洗浄剤の親油基は、ココヤシ(ココナッツオイル)の成分ラウロイド(ラウリン酸)を利用しているという共通の特徴があるため、親油基部分は必ず、
ココイル、もしくはココアンホ(どちらもココヤシの意味)
ラウロイル(ラウリン酸の意味)
で始まるというもう1つの規則があるのです。
ココイル、ココアンホ、ラウロイルではじまる! と覚えましょう。
アミノ酸系が見極められても2つの注意が必要!
洗顔フォームの場合
低洗浄力! アミノ酸系洗顔フォームを選ぶのに、ほぼほぼ
ココイル、ココアンホ、ラウロイルではじまる! で大丈夫と言えるはずなのですが、一応セットで配合されてしまうかもしれない高洗浄力洗浄剤も念のため覚えておきましょう。
ほぼほぼないとは思うのですが、まったくありえないということも無いようです。
そもそもそんなことをするメリットがメーカー側にも消費者側にもまったくないといえるのですけどねw
合わせて入る可能性のある高洗浄力洗浄剤は
1、硫酸、スルホン酸系洗浄剤
2、石けん
の2つです。
1、は
親水基に
硫酸、もしくはスルホン酸と突くものです。
ラウリル硫酸Na ラウレス硫酸Na オレフィンスルホン酸Naなどが例です。
2、の石けんは
通常、カリ石けん素地などと表示されるため分かりやすいですが、
ときどき間際らしい表示をしてごまかしていることがあります。
カリ石けん素地になる前の複数の材料を記載しているケースです。
そうなると、オレイン酸、ラウリン酸、ステアリン酸のいずれかと水酸化Naと表示する場合です。
いかに、アミノ酸系洗浄剤の配合が見られても、このような成分表示が上位にある場合意味がありません。
ですから、アミノ酸系洗浄剤のみ配合されているか?にも念のため注意しましょう。