お肌の「キメ」って良く言いますよね?
キメが整えば、お肌はツヤとハリがでて、「毛穴レス肌」「陶器肌」「たまご肌」とよばれる、しっとり・もっちりとした肌触りが手に入ることは有名です。
ですが、お肌のキメがもたらす恩恵は、しっとりモチ肌だけではありません。
キメの善し悪しは、目立ってイヤーな黒ずみ毛穴とも密接な関係を持っているのです。
その関係の秘密は、そもそも「キメ」とは何なのか?にあります。
今回は、毛穴ケアを取り入れるための重要な知識、意外と知られないお肌の「キメ」の正体と必要なスキンケアについて調べていきましょう。
お肌のキメとは
お肌の表面の平均0,03mmは角質層と呼ばれ、角質細胞と呼ばれる頑丈な細胞がぎっしり詰まって構成されています。
角質細胞というのは、細胞が生まれて変化していった最終形にあたる細胞です。ですから、健康なお肌の場合、角質層には最終形となった細胞たちで、充分に満ちあふれていて、毛穴を一辺として溝をつくり、下の絵のような丘を構成する事によって、表面上、三角形やひし形で仕切られたつぶつぶに見えるのです。
この溝を「皮溝」、ふっくらと盛り上がった部分を「皮丘」と呼び、
お肌のキメは、いかに「皮丘」と「皮溝」が均一に並んでいるか?「皮丘」がいかにふっくらしているかで決まり、お肌のキメの正体は角質の織りなすお肌の形状なのです。
お肌のキメと毛穴の関係
毛穴とは、お肌にいくつもあるサヤのような穴で、毛を生やしたり皮脂を分泌する事でお肌を守る大切な器官です。
そんな「毛穴」は「皮溝」が交わるところに存在しています。
というより、むしろ『穴』に向かってお肌が凹むのは当然ですから、毛穴が「皮溝」や「皮丘」をつくっていると言えなくもないですよね?
そんな、密接な関連のあるキメと毛穴ですから、当然キメを失えば毛穴にも、様々な影響が出てしまいます。
特によく見られるのが、キメを失うことにより、「皮丘」と「皮溝」の形が乱れる事で、毛穴のまわりの「皮丘」がすり鉢状にへこんでしまうことです。これにより、毛穴が強調され、余計に目立って見えてしまうのです。
下の写真は、以前、TOKYO OUTLET WEEKというセール会場でやっていた「無料お肌診断」で診てもらった時の私のお肌です。
この2つの写真は、お肌のキメが無くなるという事がどういう事なのか?分かりやすく実感させてくれるために、アドバイザーの方が、右頬の特別荒れた部分と、日差しなどの刺激から守られているために、キメの整っている右腕内側の皮ふを撮影してもらったものです。
右腕の内側はキメが整っていてキレイですが、頬は毛穴の詰まりやくぼみが目立ち、「キメ」と呼べそうな形もハッキリしていませんでした。。。
衝撃を受けたこの写真がスキンケアを考えるようになるキッカケとなった訳ですが、左の写真では、毛穴の気配すら感じませんが、右の写真では、毛穴周辺が明らかに凹んでおり、目立つ上に何かが詰まっているようにも見えますよね?
服で覆われることのない顔は常に紫外線にさらされていますし、そもそも毛穴の数や種類の違いがありますから、お顔のお肌も左の写真くらいのものを求めるというのには無理があるかもしれません。
ですが、両者のキメの差は明らかですよね。
だからこそ、キメを求めるスキンケアが、目立つ毛穴を目だたなくする期待値は、このキメの差分持てる!と言える訳です。
キメが乱れる原因とは
お肌のキメは、様々な理由で乱れます。
まず、乱れやすさを決めるのが
食生活や睡眠などの生活習慣
年齢を重ねてのターンオーバー(お肌の生成サイクル)の乱れ
などなどの、避け難い要因達があがります。
そうした要因を背景に、最終的な決定打となりがちなのが
『刺激』によるダメージ
です。
お肌は、『刺激』に敏感です。
紫外線による『シミ』や物理的な衝撃による『アザ』などがその最たる例ですよね。
こういったシミやアザは分かりやすいお肌の防御反応と言え、お肌のキメを乱す第一の要因といえます。
これらは、言い換えれば直接の刺激と言えます。
これに対し、時間差でキメを乱す、間接的な刺激と言えるのが
『ターンオーバーの乱れ』です。
ターンオーバーとは、お肌の細胞の生成サイクルを言います。
お肌は、基底層と呼ばれる細胞の出発点で生まれ、様々な変化を起こしながらお肌の表面、角質層に到達することで正常の頑丈な角質細胞となります。
このサイクルが繰り返されるからこそ、お肌は一次ダメージを受けても、そのダメージ細胞はやがて切りはなされ、新たな角質細胞が生まれ続け、入れ替わる事によって常にフレッシュでいられる訳ですね。
そうした特性を活かすためなのでしょう、『刺激』を受けた箇所を、お肌はいち早くリフレッシュするためにターンオーバーのペースを様々な方法で早めると言われています。
その結果、『刺激』を受けた箇所のお肌は、本来のターンオーバーのペースを乱して細胞の生成、成長が行われるため、本来の正常な角質細胞への成長が出来ていないうちに、細胞が角質層へと到達してしまい、キメが乱れる!という事が起こりえるのです。
ですから、如何にキメのあるお肌を形成するか?はどれだけ
- 刺激を避けるか
がまず、第一に大切といえるのです。
ターンオーバーのリズムを乱す刺激とは
『刺激』といえば分かりやすいですが、実際には『刺激』とは
紫外線
打撲のような直接ダメージ
洗浄成分の電気的なダメージ
熱や酸化
などなど、あげればきりがないほどに、様々な物があります。
日常生活のあちこちに溢れる刺激、ですから全てを完璧に避ける事は不可能です。
ただし、注目するべき避ける事の出来る刺激があります。
それは、、
- 『皮脂』
- 『洗顔や化粧品』
による刺激です。
これらの刺激は、日常に溢れている上に比較的大きく、且つ、避けやすい刺激と言えます。
その為に、お肌のキメを整える=毛穴を目立たなくする!には、これらの刺激の正体を知っておいて避ける事が重要です。
化粧水選びやマッサージなんかよりも、この2つの刺激を避ける事が『まず』何よりも先に取り入れるべきスキンケアと言えると私は思います。
それぞれみていきましょう。
『皮脂』による刺激
毛穴が目立つ人の特徴として
皮脂が多い
皮脂の成分が通常の構成より偏っている
といった特徴があるそうです。
皮脂は、毛穴から分泌される成分で、分解される事で皮脂膜となって
- お肌を弱酸のシールドで保護する
- お肌内部の油分、水分をフタとなって保護する
といった役割が少なくとも明らかになっています。
ですから、皮脂は単なる『使い古して排泄されたいらないもの』ではない事は間違いないそうです。
ですが、皮脂はご存知の通り、あんまり長くお肌に居続けられることで、臭いや痒みの原因となります。
臭いや痒みのその先には、様々なトラブルが待っていて、そのうちの1つがキメが乱れる、毛穴が目立つ!なのです。
皮脂がキメを乱すのは、皮脂の成分中にオレイン酸やリノール酸といった不飽和脂肪酸と呼ばれる成分が含まれていることが原因といわれています。不飽和脂肪酸は、細胞の成長、変化に影響を与えることができることが要因のようなのです。
簡単に解説します、、
そもそも、お肌の細胞はお肌の奥の奥、基底層で生まれ、お肌の表面、角質層へと新たに生まれる細胞に押し上げられていきます。
その過程で、細胞達は様々な成分を入れたり出したりする事で変化して、頑丈な角質細胞へと成長し、更には細胞間の脂質をも変化させ、セラミドなどの潤い要因を生み出す事で頑丈でキメのある角質層を実現することが明らかとなっています。
これは、細胞がもつ、細胞内部へいれたくない物質はいれない、取り入れたい物質は取り入れる、出したい物は追い出す、何でもありな便利なシールド、
- 細胞膜
による特性です。
細胞膜がうまく機能することで、細胞は各層ごとに必要な形態に変化しつつ、かつ、細胞間の細胞間脂質を増やしていき、最終的には、丈夫でうるおいのある角質層を形成するのです。
ところが、この細胞膜に対して、不飽和脂肪酸が刺激となって、あるスイッチを入れてしまう事が明らかになっています。本来通す事のない、カルシウムイオンなどの成分を角質細胞内部に侵入させてしまうのです。
その結果、角質細胞内部のイオンバランスが崩れてしまい、その事に危機感を感じてしまった体は、大変だぁー!といった具合に過剰に反応してしまい、お肌の炎症、つまりは肌荒れをおこし、角質層の直接の刺激となって、キメを失うという現象を引き起こしてしまうのです。
ですから、毛穴が目立つ人の多くは、
皮脂が多い→そもそも皮脂が多い、つまり不飽和脂肪酸の絶対量が多いから
皮脂の成分が通常の構成より偏っている→皮脂の成分の多くが不飽和脂肪酸で構成さているから
という事が出来るため、そんな特徴が見られる訳も納得ですよね?
以上が、皮脂の刺激のメカニズムです。
この理由で、古くなった皮脂は注目の刺激といえ、適度な洗浄が必要というわけです。
ここで難しいのは、『適度』です。
- 洗浄のしすぎは、皮脂膜という大切なシールドを頻繁に失ってしまう
- 過剰、及び過度な頻度の洗浄は皮脂の分泌量を増やす心配がある
- 古い皮脂は、細胞へ炎症を起こす心配因子となる
という矛盾する確かな真実ゆえの、『洗浄バランス』の難しさです。
テカリやベタつきが気になるからと1日に何度も洗顔したり、あぶらとり紙や汗拭きシートで頻繁にふき取るのはやり過ぎの心配がありますし、かといって洗浄は刺激!と過剰に洗浄を嫌うのも問題を引き起こしがちです。
ですから、
皮脂はだめ!徹底的に洗浄する!
化学物質は嫌い!徹底的に刺激を嫌う!
といった脳での決めつけはいけません。
体が教えてくれる痒みや臭いなどと冷静に向き合い「低洗浄で適度に洗う」を意識する事が大切です。
『洗浄』による刺激
もう1つ注目の刺激が『洗浄』です。
現代人は、除菌、洗浄に過敏になりがち!といった傾向にあるそうです。
確かに、除菌シートや殺菌スプレー、角栓パック、顔拭きシート、ピーリング、スクラブ洗顔などなどなどなど
洗浄、除菌をテーマにしたスキンケアアイテムは様々な種類で増える一方です。
ですが、前述のように、洗浄は皮脂膜をオフしてしまうというネガティブな側面があります。
そのために、単純な徹底洗浄はトラブルの原因ともなってしまいます。
そればかりか、洗浄や殺菌はそれそのものがお肌の負担、刺激となってしまう心配があるのです。
ですから、、
洗浄を選ぶとき、何を洗浄するのか?お肌に取って何が『刺激』になりうるのか?を意識することが大切なのです。
上記のようなほとんどの洗浄、除菌をテーマにつくられたスキンケアアイテム達をこのルールで改めて見直すと、高刺激すぎてキケン!と否定できるほどとは言いませんが、少なくともあまりにも
『安易』
であることはたしかで、取り入れるのであれば、少なくともオイルやダメージケア化粧水(セラミド)などのフォローは必須だと思います。
詳しくは別記事で記述していますが、洗浄にせよ、バリア系化粧品にせよ、ダメージケアにせよ、お肌に関するスキンケアは
- 細胞間脂質
- NMF
- 皮脂膜
といった、角質層のうるおいを守る3種の要素を
- 生み出す
- 守る
- 補う
のいずれかに分類できるもののみ、取り入れても良いと考えるべきで、それ以外のスキンケアは、意味がない、もっと言えばキケンを伴うというくらいに割り切ってしまった方が無難と言えます。
このような事情を考えるとやはり、ピーリングや角栓除去、アルコール除菌などの徹底洗浄系スキンケアは、医師にでも進められない限り、避ける方が無難といわざるを得ません。
キメを整える優しい洗顔
以上の理由からキメを整えるには、皮脂と洗浄の刺激を避けることが重要です。
となると、問題は、如何に優しい洗顔ができるか!となりますよね?
低刺激な洗顔を実現するために必要なのは
- お湯で優しく洗顔する
- 皮脂は無い方が良い訳ではない事を意識した適度な洗浄回数
- ゴシゴシ洗わない
- 洗浄剤はよく泡立てて利用する
といった技術的な事が、まずあがりますが、もう1つ大切なのが洗浄剤選びです。
洗浄剤は、
- 化粧を落とすオイルクレンジング
- 皮脂を優しく落とす洗顔フォーム
に分けられます。
いずれの洗浄剤においても、低刺激において1番注目すべきは『洗浄力』です。
洗浄力を決めるのは、洗浄成分の『種類』と『量』です。
ですから、どんな洗浄成分を使っているかを全成分表示から確認して選ぶ事が出来れば、低刺激洗顔が実現する訳です。
ではどんな洗浄力を選ぶべきか?ですが
- なるべく低洗浄力
がポイントです。大切なのは『なるべく』です。
洗い落としきれないでは元も子もないからです。化粧成分のこしには、とくに気を付けたいですよね?
ここをポイントに考える時に選ぶ基準としてオススメなのが
洗顔フォーム
- 低刺激、低洗浄力
アミノ酸系、PPT系(ほぼアミノ酸系と同じ、名前が違うだけです) - 低刺激、高洗浄力
スルホコハク酸系、お酢系
クレンジングオイル
- 低洗浄力
油脂(ツバキ油などの植物油)と炭化水素(ホホバ油などの植物性ロウ) - 高洗浄力
ミネラルオイル、スクワラン、ワセリン
となっています。
自分に合った洗浄力を正しく見極める事でキメの向上が期待できます。
詳しい見極め方はそれぞれ
洗顔フォーム
クレンジングオイル
にてご紹介しています。
バリア機能の向上で更なるキメの向上を!
刺激を避ける!はキメを整えるをはじめとするスキンケアの基本です。
そこをしっかり抑えた上で、更なるスキンケアを取り入れるのであれば、まず、1番にオススメしたいのが
- セラミド
です。
数ある化粧水の中でも、もっともキメ効果を実感しやすいのがセラミド化粧水と言われています。
このセラミドの驚きの効果、実際、私自身も感動済みで、どんなスキンケアと比べても圧倒的な効果の違いを感じる事が出来ました。
セラミドは角質層の角質細胞間に多い成分で、お肌の潤いを保つのにもっとも重要な成分です。
そして、『潤い』はお肌のバリア機能で1番大切なシールドです。
この潤いシールドがあるために、多少の刺激ではびくともしない、頑丈なお肌が実現する訳です。
いくら、皮脂や洗顔に気を付けても、それぞれの刺激によるダメージは0にはなりませんし、そもそも紫外線や熱や酸といった避け難い刺激は世にごまんとあります。
ですから、そうした避け難い刺激によるダメージを回復する、刺激によるダメージを出来るだけ低くするといった効果をもつ化粧水が重宝される訳ですが、
これらの効果がもっとも期待できるのが、
セラミド
という訳ですね。
セラミドは外側から塗るだけで、角質層のセラミドを増加させる!角質層内のうるおいを増す効果が期待できる!ので、化粧水の全成分表示にセラミドの記載がある物を選ぶだけでその効果が得られる!という訳ですね!
ただし、セラミド化粧水は総じて『お高い』という特徴があります
あくまで刺激を避けるスキンケアのプラスαスキンケアとして、取り入れるかどうか慎重に考える事、そして、取り入れるのであれば、ある程度値のはるものをを覚悟して購入する事をオススメします。
セラミドが中途半端に配合されたものを選んでは残念ですからね?
セラミド使用者としての個人的な感想としては、その効果はその他の化粧水の比じゃありません。
使用後1ヶ月で明らかにキメが整い、毛穴が目立たなくなった!と感じました。
キメを整えて、バイバイ黒ずみ毛穴!
- 刺激をさける
- 刺激に強い肌をつくる
この2つを満たすスキンケアさえ取り入れれば、お肌のキメは充分に整う期待が持てます。
お肌のキメが整うと、単に
- 毛穴周りが、すり鉢状にへこんでしまい毛穴が余計に目立つ!
- 毛穴から生えている産毛が詰まることで黒く目立つ!
といったトラブルを未然に防ぐばかりか、
- きめ肌は光を乱反射するので毛穴が目立たなくなる!
といったプラスα効果も期待出来るのです。
角栓パック、ピーリングなど高刺激な洗浄
徹底した洗浄除菌
といったやめるべきスキンケアはやめ
- 優しい洗顔
- 低洗浄力洗顔料
- プラスαでセラミド!
といった取り入れるべきスキンケアは取り入れて、美しいモッチリハダ、きめ肌を手にいれて、黒ずみ毛穴と上手にお別れしましょう!