毛穴の黒ずみに関するスキンケアはたくさんありますが、そのほとんどは毛穴に詰まった黒ずんだ角栓を取り除く、手っ取り早いものです。
これで、黒ずみはなくなると言えなくはないです。
ですが、どうしても高刺激になりがちで、再発を招くスキンケアとさえ言えます。
その理由は、毛穴の黒ずみの原因にあります。
毛穴の黒ずみは、角栓が毛穴に詰まり古くなることで変色して生まれてしまいます。
ではなぜ詰まってしまうのかというと、
『強洗浄』による『皮脂の過剰分泌』
さまざまな『刺激』が原因でおこる『炎症』
『お肌の細胞である角質がかさばってしまうこと』による『毛穴の出口の縮小』
が原因です。
つまり、お肌がダメージを受けて不健康な状態になった時に初めて、黒ずみの原因、角栓詰まりを起こすわけです。
ですから、毛穴の黒ずみの解決に『過剰洗浄』はおろか、角栓取りパックやピーリングによる毛穴の洗浄などもってのほかと言われる訳ですね。
では、どうすれば良いかというと、
お肌を本来の健康肌に導く
です。
黒ずみの原因はあくまで
- 皮脂の過剰分泌
- 毛穴の出口の収縮
であり、
毛穴が再び健康を取り戻せば、毛穴は広がりを取り戻し、皮脂分泌も通常の状態に戻ります。
その上で低刺激洗顔を繰り返せば、詰まった角栓は自然と排出されます。
では、健康な毛穴や健康はだを導くにはどうすれば良いのか?というと
- ダメージをきらい、しちゃいけないことを『さける』スキンケア、と
- お肌の健康を『手伝う』スキンケア
の2つのスキンケアを取り入れることです。
こうしたスキンケアを取り入れることで、毛穴の黒ずみだけで無くさまざまなお肌のトラブルを避けることができ、更には、その先にある健康肌は、ハリコシツヤのある『もち肌』です。
『健康』は、人間の感じる『美』や『好感触』と密接な関係にある訳ですね。
健康なもち肌を支える潤いの正体
では具体的に健康なもち肌はどうすれば手に入るのか?
健康はだを目指すには、健康はだを支えている要素を知らなくてはなりません。
健康はだを支えるいくつかの要素のうち、特に注目すべき要素は『お肌の潤い』です。
お肌の潤いは、健康はだを支える最初のシールドです。
ですから、お肌の潤いさえ保てれば、健康なお肌を維持できると言えるわけです。
正に守備の要といえる、そんなお肌の潤いをお肌を構成するタンパク質を分解してみていくと、大きくわけて
- 細胞間脂質
- NMF
- 皮脂膜
と分けられます。
細胞間脂質・NMFは、お肌の潤いを担う構成成分で、これらの成分が水分を抱え込みはなしません。
皮脂膜は、お肌を守るベールのような成分で、角質層を油の膜で包み込んで水分を逃さないようにフタをしています。
健康はだを目指すのに有効なスキンケアは、この3種の潤い成分を
- 生み出す
- 守る
- 補う
ことです。
正しいスキンケアの選び方
正しいスキンケアとは、お肌を健康を保ち、補うことを言います。
具体的には、細胞間脂質・NMF・皮脂膜、この3種の潤い保持成分を、生み出す、守る、補うという訳です。
スキンケアを選ぶとき、自分が選ぶスキンケアがこの条件に当てはまるか?3つのうちどこをどうするスキンケアなのか?ここを明確にすると、通常より効果をはっきり見極めることができますし、なにより、するべきでないスキンケアを避けることが出来ます。
例えば、角栓をすべて抜き取る『毛穴パック』は、
- 細胞間脂質
- NMF
- 皮脂膜
どれかをうみだす、守る、補うということにはあたりません。
むしろ、どれかを奪う、傷つけるといった心配がありますよね?
ですから、やめとこう!『避ける』といった選択肢を選べるというわけです。
実は、この方法で見極めていくと、このような避けるべきスキンケアは世の中に溢れかえっています。
つまり、有効なスキンケアは本当に限られているのです。
もっとはっきり言うと、外側から塗るような化粧品では、お肌の外側0,03mmほどの角質層のみにしか効果を及ぼさないために、出来ることの幅はとっても狭いのです。その証拠に、ほとんどの化粧水のCMにちらっとでている、『※角層まで』とは、角質層(お肌の深さ0,03mm)までの意味を示します。以外ですよね?
私たちは化粧品に過度な期待を持ちすぎてしまう傾向にあります。
ですから、この『避ける』という選択肢も立派な『守る』スキンケアと言え、潤いを守るスキンケアが基本となり、プラスαのスキンケアが『生み出す』、『補う』となるのです。
守るスキンケア
潤いを守るスキンケアとは、外部からの刺激から
- 細胞間脂質
- NMF
- 皮脂膜
を、守るスキンケアです。
先述の『避けるスキンケア』が筆頭となる訳ですが、他にも守るスキンケアはいくつかあります。
刺激といえば紫外線、UVケアなどが有名ですが、真に注目したいのが『洗顔』です。
洗顔は、メイクや古くなった皮脂や皮脂膜といった油系の汚れを落とすスキンケアです。ですから、同じ油系である、細胞間脂質、NMF、新しい皮脂膜も同時に洗い流してしまう心配がある訳ですね。
もちろん、お肌はそんなに弱くはありませんので、『細胞が溶ける』なんてことにはなりません。ただし、皮脂膜は簡単に落ちます。それによって、細胞間脂質は簡単に無防備な状態になってしまう訳です。
そんな状態で、ゴシゴシ洗ってしまえば細胞間脂質はダメージを負ってしまいます。
皮脂膜は新たな皮脂でその日のうちにも復活しますし、オイルなどの代用品でお手軽に補給できます。
ですが、細胞間脂質はそうもいきません。
細胞間脂質は一度失われると、後から生まれるお肌の入れ替わりを待たなくてはいけません。
細胞間脂質もセラミドなどの化粧水で補給できなくもないのですが、高価ですし、補給じたいオイルほど簡単では無いのです。
では、洗顔において細胞間脂質を守るにはどうすれば良いのか?
注目なのは、洗顔方法と洗浄剤選びになります。
優しい洗顔方法
洗顔の主な目的は、古くなった皮脂とメイクの洗浄です。
メイクはともかく、普通、皮脂はお湯だけでも充分に落ちます。
しかも、ゴシゴシと擦る必要は全くありません。
手は当てるだけ、優しく押し込む程度で全く問題ないのです。
ですから、汚れを落とす事をする意識するより、むしろ、いかに優しく低刺激におさえるか?を意識するべきです。
また、良く毛穴の奥までしっかり洗いうべきと思われがちですが、それは間違いです。
お肌に限らず、人体はあるがままが一番!といった傾向があります。
では、あるがままの毛穴はどうなっているか?というと、硬化した角栓が当たり前に毛穴のフタをしています。この角栓が黒ずむほどに出て行ってくれなくなってしまうのは問題ですが、本来、角栓は合って当たり前、角栓のない毛穴は普通の状態ではないのです。
ですから、角栓を取り除いてしまう、ましてやその奥の皮脂まで取り除いてしまおうというのは百害合って一利無しといえるるのです。ですから、洗顔は、しっかり洗うというより、優しくOFFすることが重要です。
では、優しい洗顔のコツはというと、
低洗浄力で低刺激な洗顔料を使用して、しっかり泡立てて、決してコスることなく、やさしく押すだけにする。
そして、お湯の持つ高い洗浄力を意識して、じっくりと洗い流すことが重要です。
ただし、これはお化粧の種類を考えない場合です。
お化粧の種類、例えばウォータープルーフなどの水に流れ辛いお化粧を選んでいれば、低洗浄力の洗浄剤では、落としきるのは難しく、無理に落とそうものならば、その刺激で毛穴の黒ずみどころか、シミなどの新たなトラブルを招く心配が出てきてしまいます。逆に、洗浄を遠慮して、お化粧の洗い残しをしてしまえば、それはまた何よりの刺激となる心配があるわけです。
ですから、こすらない優しい洗顔をするための、洗顔料選びが大切となってきます。
適切な洗顔料選び
洗顔料は、お化粧の種類と濃さによって、一人一人適切なものを選ぶことがオススメです。
ここで大切なのは、あくまで個人の使用感となってきます。
いかに、コスらずに短時間でメイクオフできるか?が低刺激の基準となりポイントだからです。
そこで、基準とするのは洗顔料の種類です。
まず、誰もが必要となるのが、
アニオン界面活性剤が入ったいわゆる『洗顔フォーム』です。
洗顔フォームは、お湯だけでは高刺激になりがちな洗顔を、泡による摩擦軽減を中心に、優しく低刺激に抑える為のアイテムです。
それに対して、洗顔フォームだけでは落としきれない化粧成分を落とすのが、クレンジングオイルです。
ですから、ノーメイクのかた、もしくはほぼ化粧しない方はアニオン界面活性剤のみ配合の洗顔フォームだけの洗顔で充分です。
洗顔のポイントは、いかにやさしくOFFするか?でした。
ですから、洗顔フォームの選び方のコツは万人共通といえ、割と単純で簡単です。
- どれだけ低洗浄力か?
- どれだけ低刺激か?
です。
ですから、比較的低刺激な『アミノ酸系』の洗顔フォーム、低刺激且つ洗浄力が割としっかりある『お酢系』『スルホコハク酸系』の洗顔フォームから好みに合わせて選ぶのがオススメです。
それに対して、選択が難しくなるのは、洗顔フォーム前にするメイクおとし、いわゆるクレンジングオイルです。
一人一人メイクの量が違うからです。
選び方のコツを知るには、まずはオイルの種類の見分け方を知る必要があります。
オイルの種類は、
- 油脂(ツバキ油、マカデミアンナッツ油など)
- ワックス(ホホバ油など)
- 炭化水素(スクワラン、ワセリン、ミネラルオイルなど)
と分けられ、それぞれに脱脂力や使用感に違いがあります。
低脱脂力、無刺激なものといえるのは『油脂』です。
そもそも油脂は、お肌の皮脂膜の50%程を占める成分であるため、安全性が高いです。
しかも、皮脂膜といえば角質層を守るベールのような成分ですから、油脂にも当然、皮脂膜の持つ保湿力とシールドの効果が期待できるのです。良い事ずくめの『油脂』ですから、お化粧が問題なく落とせるのであれば、クレンジングオイルには、まず、油脂がオススメです。
ついで、オススメなのが、同じく皮脂膜の10%程を占める成分であるワックスです。
無刺激、低洗浄力で、油脂より優れていると言えるのは、酸化しない点です。
分かりやすく極端な話をすれば、腐らないという事です。
使い勝手が良いと感じるのであれば、ワックスといった選択も良いと思います。
対して、どうしてもメイクが落ちないといった事が感じられるのであれば、スクワラン、ワセリン、ミネラルオイルなどの炭化水素がオススメです。メイク残しをしては、元も子もないですからね?
ちなみに、これらの炭化水素も皮脂に含まれる成分ですから、安全性は高いです。
※厳密には、スクワランは、皮脂膜の成分であるスクワレンを、水添といわれる安定性を上げる技術が使われたものです。
ですが、洗浄力が強すぎるために、皮脂の過剰洗浄の心配はあります。
脱脂力の高いオイルでしっかりメイクを浮かせた上で、洗顔フォームで優しく洗い流し、失った皮脂膜や傷ついた細胞間脂質は、セラミドや油脂といった『補う』スキンケアで回復を計ることをオススメします。