多くの化粧水に含まれるセラミド。
私たちがセラミドを求めるその理由は、ズバリ保湿ですよね?
セラミドに限らず化粧水と言えば保湿効果に注目が置かれます。
ですから、ほとんどの化粧水は保湿を主張していますが、どう保湿へアプローチするかは、化粧水ごとにまったく違うのです。
実は、スキンケアにおける保湿効果とは、ほとんどの場合、私たちの体が本来持つ保湿力を補う効果を言います。
ですから、同じ保湿系の化粧水でも、体のどの部分の保湿を助けたのか?によって、まったく保湿の意味が違うのです。
まず、セラミドにおける保湿についてみてみましょう。
セラミドは、角質層(お肌の表面0,03mmの層)の細胞同士の間にある脂質の成分の一部で、この脂質達によってお肌の潤いは保たれています。
この脂質を細胞間脂質と呼び、セラミドが50〜60%を構成しているため、同じ分子構造のセラミドによるスキンケアがうるおい補給に有効とされる訳です。
このことから分かるのは、セラミドによるスキンケアの効果とは、何らかの理由で弱ってしまった細胞間脂質の本来の保湿効果を取り戻す効果であると言うことです。
では、細胞間脂質の保湿効果というと
- 1、お肌が本来持つ、保水力を向上させる
- 2、新たなお肌を産むサイクルを正常な状態に促し、次世代の潤い環境を整える
- 3、角質層の細胞同士をしっかり結びつけ、潤い環境をより強固にする
- 4、油と水で織りなすお肌のシールドを強固にする事で潤い環境を守る
- 5、いまだ解明できていない保湿因子があるかもしれない、、、
となります。
5、については、人体のどの部分にも言える事ですが、細胞間脂質には、未だ解明されていない機能がたくさん秘められていると言われています。
と、話がちょっとズレてしまいましたが、何が言いたいのかというと、、
同じ保湿と言っても、どんな保湿なのか?を詳しく説明すると結構細かく分類できてしまい、それぞれ違いがあると言うことです。
同じ保湿系の化粧品でどう違うのか比較してみましょう。
比較するので分かりやすいのはオイル系の化粧品です。
あらゆるオイルは、化学的には油脂、ワックス、炭化水素に分けられるのですが、これら3種は、そのまんまお肌から分泌される皮脂の構成成分にあたります。つまりオイルは、皮脂の持つ保湿効果を補う成分であると言えます。
皮脂は、お肌の常在菌によって分解され、弱酸性の皮脂膜となってお肌の表面を雑菌などから守り、更にはお肌の水分の蒸発を防ぐ油分のフタとなります。そんな保湿に大切な皮脂ですが、お風呂の後などに特に不足しがちで、その代用にオイルが使用される訳です。
ですから、オイルの保湿とは、皮脂膜の保湿効果と同じと言え
- 油分の被膜でお肌の潤いを閉じ込め、蒸発を物理的に防ぐ
- 酸化して脂肪酸を生み出す事で弱酸性の環境を作り、お肌を守って潤い環境を整える(オイルのうち、油脂のみの効果)
となります。
セラミド同様、確かに保湿に効果がありますが、同じ保湿でも、セラミドとは大部違いますよね?
ただし、オイルのスキンケアは、結果的に細胞間脂質の保湿機能をまもっているのですから、セラミドのような保湿効果を語っても嘘ではありませんし、その性能も効果も確かであるのは間違いありません。
ただ、オイルには、オイルの役目が、セラミドにはセラミドの役割がある!と言う話です。
同じ潤いを謳う製品でも、セラミドの潤い効果はまったく別もので、潤いへの直接の効果をねらった成分である事は明らかですよね?
ですから、保湿、潤いを求めてスキンケアを選ぶ場合、まず、シンプルにセラミドを求めることをオススメします。
オイルなどは、あくまで、油分が足りない!と感じた時のプラスα成分、別物と捉えて取り入れましょう。
最後に、改めて、セラミドの効果と補足をもう一度まとめておきます。
お肌の保湿は、細胞間の水分とセラミドを主成分とする脂質を繰り返す事で織りなす、ラメラ構造によって保たれています。ですから、潤いのスキンケアとは、セラミドを守る低刺激な洗顔、ラメラ構造の潤いを補うセラミドの補給が注目なのです。
セラミド6Ⅱには、お肌の生産サイクル、ターンオーバーを正常化するというデータが認められています。
このセラミドの機能の根拠は、研究では、いまだはっきりと確立されたものではありませんが、セラミドはシグナル伝達物質としての役割があり、細胞の分化や増殖を制御しているからではないか、と言われています。
角質細胞は細胞膜で覆われています。
細胞膜の更に1つ内側の領域を周辺帯とよび、周辺帯は強固なタンパク質で構成されています。このタンパク質を周辺帯タンパク質と特別に呼びますが、このタンパク質とセラミドは共有結合と呼ばれる化学結合によりしっかりと結びつけます。これが細胞同士の結びつきとなり、セラミドが接着剤と例えられる所以です。
お肌に限らず、私たちの人体はあちらこちらで、お水と油の層を織りなしています。
ラメラ構造はそのうちの1つであり、皮脂膜とセットで、体を守る最初のシールドと言えます。
水は油を弾きます。ですから、ラメラ構造の油の層は水性の刺激物を弾き、水の層は油性の刺激物を弾くのです。
この油と水の性質を上手に取り入れているのは、人間だけではありません。
生物は、水との上手な折り合いで健康を保っているのです。
セラミドは、その分子構成によっていくつもの種類があります。
どのセラミドも体内にあるのですが、その役割すべてが解明された訳ではありません。
今言われている多くの効果は、あくまで、実証されたものだけです。
ですから、セラミドに出来る期待は未知数とも言えるのです。
セラミドによるスキンケアは、からだ本来の健康を補うスキンケア、つまり体に寄り添うスキンケアと言えます。
だからこそ、安心して挑戦できますし、その期待値も大きいのです。
うるおいを本当にもとめるのであれば、まず、その源であるセラミドによるスキンケアから取り入れることをオススメします。