お肌の潤いとは、角質層の潤いのことをいい、その要因は3つあります。
- 細胞そのものがもつ、NMF(天然保湿因子)
- 細胞間の保湿成分、セラミド(角質細胞間保湿因子)
- そして、肌表面を覆う皮脂膜(皮脂による最も外側のシールド)
これらが、不足しない以上、お肌の潤いは保たれます。この潤いによって、私たちのお肌は、美しいキメやハリ、そして触り心地の良いコシを実現しているのです。
さらに潤いには、タンパク質(例えばセラミド)と水分の層を繰り返す事で、人体を守る役割があります。
油系(水に馴染まない物)の刺激を水の層で、水系の刺激を油の層でシャットアウトする訳です。
この仕組みは体のあちこちで実現していて、私たちのお肌の潤いはその本の一部です。人体の6割が水分と言うのもうなずけますね。
では、実際、お肌の潤いはどのように守られているのでしょうか?
天然の保湿成分「NMF」
まず、角質細胞1つ1つが生まれながらに持つ保水力、この要因がNMFです。
NMFとは、Natural Moisturizing Factorの略、つまりは、N:生まれ持った、M:保湿の、F:要因、そのすべてをさすものであり、角質細胞の保水を担うものすべての総称です。
細胞は、基底層で生まれ、角質層に上がるまでにさまざまな変化を得て、いろいろなNMFを手にします。この変化の過程には、人によって生活や環境、遺伝子、ありとあらゆるさまざまな違いがありますから、最終的に人それぞれ独特のNMFが出来上がる訳です。
その結果産まれるのが、乾燥肌やアトピーなどの『トラブル』や『お肌の潤いの差』です。
これらの要因として、NMFが関連しているのは間違いなくとも、その大きな要因が、生活なのか、遺伝なのか、なんなのか???これが、いまだはっきりと解決していないのです。
このようにNMFにおいて、まだまだ、研究余地が余されているとされる分野といえそうで、それゆえに、さまざまな憶測やエビデンスに基づいて、NMFに関連するスキンケアアイテムは多岐にわたります。
特に、NMFに外部から肌に塗るなどして直接関与できるスキンケアは、基本あるわけも無く(外部は角質層まで)、食事や睡眠、マッサージといった根本的な要素が多いため、納得して取り入れるには、疑問を抱えるケースも多いです。
ですが、その分、未知数なきたいも出来る!といった魅力もありますね?
角質細胞が持つ天然保湿因子(NMF)を後から補うことは難しい
お肌のうるおいの秘訣「セラミド」
次が、角質細胞の間にあるセラミドです。
セラミドは、脂質であるがために本来水に混じりません。ですが、油とも混じりずらいのです。
水とも油とも混じりずらい特殊な性質を持つセラミドは、水分から逃げるようにして、あたかも水を保持しているように水と油の層を織り成すことで、細胞間の潤いとシールドを構成しつつ、角質細胞を守り、つなぎ合わせているのです。
この構造が有名なラメラ構造ですね!
セラミドの主な領域である角質層は、お肌の深さわずか0,03mmの層です。
化粧水が届く範囲内であり、これこそが外部からのスキンケアの真の目的箇所ともいえます。
セラミドが不足して弱体化した角質層ならばなおの事、化粧水の浸透が期待でき、取り入れる価値の高い外部からのスキンケアが多いのです。
また、お肌を直接助ける分、目的が明確で、納得のスキンケアが多いのも特徴です。
- 細胞間脂質のセラミドはスキンケアにより補うことができる!
お肌のうるおいを守る「皮脂膜」
最後に皮脂膜です。
皮脂膜とは、皮脂と汗が混ざり、更には、体表面にすむ常在菌の活躍で、一部分解して産まれる脂肪酸やコレステロールなどが混じる非常に薄い膜、と言うよりゾーンのことです。
皮脂から産まれる脂肪酸は、体外に弱酸性の環境を生み出し、悪い菌を寄せ付けません。
更には、皮脂に含まれる油脂は、角質層の水分のフタとなって、セラミドの保水力を保湿で手伝います。
ただし、もともとが皮脂である事、長く残留しすぎて過剰量の脂肪酸を産めば、ご存知、匂いの原因や、炎症の元となってニキビに発展するなどのトラブルを産みます。
なので、私たちは体を洗うのですが、皮脂膜や皮脂は簡単に落ち、簡単に落ちるからこそ容易に弱酸環境と、保湿のフタをも失います。
皮脂膜は必要、だけども、洗えば、一時的に乾燥やバリア機能の低下が心配される!
この矛盾が、洗い過ぎは良くないと言われる所以です。
この矛盾を同調性していくか!は、現代人のスキンケアのカギであり、入り口と言えます。
つまり、
皮脂は洗いすぎないこと!
- 皮脂膜は洗浄後の皮脂の代わりになる油脂による保護が可能!
です。